2つ目はポテンシャルが活かしきれていないことです。沖縄の優位性を示すときによく、沖縄県を中心とした地図が使われることがあります。飛行機で4時間圏内に多くのアジア都市が入るというものなのですが、スポーツビジネスの世界ではこのアジアとの近接性や親和性を活かした事業はまだまだ少ないと思います。
そして3つ目は、事業者の事業規模。これはスポーツ以外の産業にも言えることですが、中小零細企業が多く、資金力、マンパワー、外部とのネットワークなどが限定されています。
やはり、異業種や県外企業とのコラボレーションがポイントです。プロスポーツチームではスポンサー企業のアクティベーションという形でのスポーツ×〇〇という取り組みは増えてきていますが、スポーツチームでなくても他産業との掛け合わせで新たな収益が生まれるケースはあります。また、他産業の企業にとっても「スポーツのチカラ」を使って、事業の価値を高めることは可能です。県外企業とのコラボで、外からの視点で沖縄の魅力や地域資源を発掘してビジネスに活かすという形もありですね。
サントリーウェルネスさんがJリーグと実施されているBe Supportersという取り組みなどは、おもしろいですね。老人ホームの利用者であるシニア層がJクラブを応援することによって、認知症予防につながるという事業なんですが、普段は常にだれかに「支えてもらっている」側の高齢者が、選手に「応援してくれてありがとう」と言われる、支える側に回ることが生きがいになる、というのがこの事業のポイントです。まさにスポーツ×ヘルスケア。スポーツのチカラで地域課題を解決するという事例ですね。
まずは「稼げる」ビジネス。本事業をきっかけに自走化をし、さらに沖縄に経済効果をもたらすビジネスが生まれてほしいです。個人的にはスポーツの醍醐味は「興奮と熱狂」だと思っているので、なにか観戦スポーツの新しい形が、例えばキャンプなどで実証できたらおもしろいですね。
今回、採択事業者のハンズオン支援にも入らせていただきます。スポーツはとてつもないパワーを持っているので、ぜひ、「スポーツを使い倒して」一緒に、ワクワクする新しいビジネスモデルを構築してきましょう!