担当者の想い

事業を推進するそれぞれの
担当者へ
インタビューしました。

Interview 01
沖縄県文化観光スポーツ部スポーツ振興課
班長 宮平洋志・主査 畠山一洋

interview01
●本事業の最終的なゴールとして「スポーツアイランド沖縄の形成」とあります。
まず「スポーツアイランド沖縄」とはなんでしょうか?
宮平さん

「スポーツアイランド沖縄」というのは、沖縄の特性を活かした沖縄県におけるスポーツ振興のコンセプトです。
3つの目標を掲げていて、
一つ目は、「県民が健康・長寿であるために生涯を通してスポーツを楽しめること」
二つ目は、「国内外で活躍するトップアスリートを輩出すること」
三つ目は、「日本の南端のスポーツ交流拠点として年間を通したスポーツコンベンションが開催されること」
この3つが実現されているとともに、沖縄県の地理的特徴や恵まれた自然・温暖な気候、特色ある地域・文化・産業などの地域資源とスポーツを掛け合わせて、地域・経済の活性化に繋がる取り組みが全県的に行われている、こういう状態になっているのが、我々の掲げる「スポーツアイランド沖縄」です。

●「スポーツアイランド沖縄」の形成を目指して、今回この補助金で色々な事業を支援されていくと思いますが、どういったビジネスが生まれて欲しいとお考えですか。
畠山さん

どういったビジネスかと言われると、スポーツとの組み合わせという事が見えれば、何でもいいというか、ありとあらゆる分野でスポーツの活用を検討してほしいと思っています。
その中でも県が今年特に支えていきたいと考えている分野がいくつかあって、例えば、海外展開やオープンイノベーションです。
また、スポーツを活用した社会課題の解決や国際的な貢献・交流といった事業、人材育成、ここで言う人材育成とは、選手や競技指導者の育成ではなく、スポーツの分野で事業のマネジメントやコーディネートができるような人材の育成という取組も支えていきたいと考えています。
これらは県としても進めていきたい分野なので、そこは重視するポイントの1つになっていくのかなと思います。
繰り返しになってしまいますが、分野としては本当にどのような分野でもいいですし、沖縄から展開していくということが重要だと思います。可能性がたくさんあるスポーツ掛ける〇〇の掛け合わせのところは、本当は様々な可能性を模索していきたいですね。

interview01
●「海外展開」については、これまでこの事業の中ではあまり取り組めていなかったところかもしれませんが、沖縄だとどうしてもインバウンドのイメージがついてしまっていますよね?今のお話だと外に出ていく方もお考えですか?
畠山さん

おっしゃるとおり、海外展開を定義するとき、大きく分けて2つあると考えているのですが、いわゆる輸出と輸入に分けられるのではないかなと思います。今回、我々が特に目論んでいるのは海外に輸出する方の部分です。
沖縄県としてインバウンドを受け入れるのも当然重要ですが、逆にこちらから何かを外に出していく事業展開も必要ではないかと思っています。


宮平さん

そういった外に出すものと、やっぱり沖縄が持っている特性とか強みがあると思うので、そういったところを海外で発信して沖縄側に着地できることも我々としては海外展開の一つとして考えています。
やっぱりインバウンド・アウトバウンドの両方が重要で、ただそこのポイントとしてはスポーツと産業、そして沖縄の強みとの掛け合わせという事ですね。

●沖縄県で考えられるスポーツでのオープンイノベーションというのはどういうイメージですか。
宮平さん

スポーツ×〇〇の「〇〇」の部分がオープンであること。極端に言ったらスポーツとこの分野は、普段では結びつかないのだけれど、この事業をきっかけに結びつく。そのためには、スポーツ×○○の「〇〇」の部分を極力オープンにしていきたいですし、もしこの事業がきっかけとなって、みんなが注目するような事業が展開できると、将来的に沖縄の人たちや日本のすべての方々が沖縄に来てスポーツを活用してこういうことをやりたいと思ってくれるのではないかと考えています。


畠山さん

分野としてはヘルスケアやITは特にスポーツとの親和性が高いのかなと思います。

interview01
●この事業に応募してくださる事業者は、必ずしも今スポーツ事業を展開している事業者でなくてもスポーツの力を使って何かしら産業化していきたいということであればそこはもうウェルカムということですね。
宮平さん

スポーツを使い倒してほしいですね。


畠山さん

スポーツにとってネガティブなニュースが全くないわけではないですけど、一般的にスポーツは、本当にみんなに見てほしいと思うポジティブなニュースが多いなと思っています。
スポーツは性別とか、障害の有無とか年齢というのは関係なく、みんなが楽しめるものですし、子どもの頃に何か競技スポーツをやっていた経験がある方も多いでしょう。あるいは、子どものときに競技スポーツをやっていなくても、大人になってから何か教室に通っていたり、ダンスをしていたり、トレーニングやマラソンをしたり、それらも全てスポーツだと思うので、そういう意味ですごく色々な人にポジティブな影響をもたらすことができるコンテンツがスポーツなのかなと。そういったスポーツの持っているポテンシャルをフルに活用して、今スポーツに関わっていない事業者さんにも一緒になってさらにスポーツを価値あるものに、そして掛け合わせる産業に今まで見たことがなかった価値がつけられるような展開に出来たらいいと思っています。

●3つ目が社会課題の解決や国際貢献についてですが、この辺りもお聞かせください。
宮平さん

この辺りは少し漠然としているところではあるのですが、我々のスポーツ推進計画でも掲げているところもあるので、チャレンジしていきたいという部分です。
沖縄ももちろん、その他の地域と同様に社会的な課題というのが多くあるのでそこをスポーツの有形無形な力を使って何かしら課題解決のきっかけや最初の盛り上がり等が作れるのではないかと。そういったところに活用できる可能性を秘めているのかなと思います。


畠山さん

ただそれがビジネスとして自走化することはやはり必要だと思っているので、そこは、少し目線や視点を変えながらやっていかなくちゃいけないだろうなと。経済的な効果を直接追い求められないものもあると思いますが、それがブランド力につながって、間接的に企業の力になるという形はあると思います。
それから、昨年のFIBAバスケットボールワールドカップでは、たくさんの子ども達に世界のプレーを観戦していただこうということで、県では1万人の子ども達を大会に招待しました。他にも、学校給食で各国の料理を食べて頂いて交流のきっかけや学びの機会を作っています。そういう事も一つの国際貢献の形だと思います。
そういった要素も踏まえつつ、持続可能にするためにビジネス化するという工夫があるような事業があればすごく魅力的だと思います。

interview01
●人材育成で特にスポーツのテクニック的な指導人材ではなくて、マネジメント層の人材育成という事でしたが、どのように育て、どのような活躍を期待していますか。
畠山さん

各地域でスポーツを活かせる人材が必要ではないかと考えています。中心となるスポーツ施設は各地域にあり、実際にスポーツに関する活動はそこに集約されていることが多いです。地域の現場で核となってスポーツと地域振興を繋げてくださるような人材の育成が大切なのではないかと思います。
それをどうやって育成していくかという部分は、実践的な育成(OJT)というのが必要なんじゃないかなと。いわゆる何か事業を展開するとか、サポートをするとか、そのためのネットワークを構築するとか、そういう部分でも、本事業を使って人材育成に取り組むことができるのではないかと考えています。

●今回、沖縄の資源を使うというところも一つポイントになってくるというお話でしたが、例えばこういう資源を活用してほしいというものはありますか?
宮平さん
沖縄は野球、サッカーを中心としたスポーツキャンプの集積地となっています。長い間、多くのプロチームがひとつの場所に留まるタイミングってなかなか無いかと思います。そういった機会に取れるデータやキャンプ中の宿泊地や練習場所といった、ある程度クローズな場所で活用できるビジネスもあるのではないかなと思っています。


畠山さん

リゾートという資源もありますよね。たくさんの宿泊施設があり、県民は国内のお客様、海外のお客様をたくさん受け入れて充実したホスピタリティを提供している。
その他にも、農作物といった県産資源もあります。過去には県産木を使ってスポーツ用品を作るといった事業もありました。もしかしたらすごい効能を秘めた食材があって、そういうものを見つけ出してリカバリーとか栄養の部分で県産品が生かされるようなこともあればと思っています。


宮平さん

昨年のFIBAバスケットボールワールドカップで聞いたお話なのですが、選手の宿泊するホテルと、町と、ビーチがこんなに近くあって、さらに試合が行われるアリーナも近くにある会場って、世界的に見てもあまり無いというお話がありました。選手は、試合がない日にリゾートと町の両方の空気を感じることができて、それがすごくリフレッシュになったということを関係者から聞きました。海外選手の声を聞いて、改めて沖縄県にはすごい魅力があるなということを肌で感じました。

interview01
●最後に応募しようかなと思っていらっしゃる事業者さんへメッセージをお願いいたします。
宮平さん

いま実際にスポーツに関わっている方、スポーツに関わるビジネスをされている方もいらっしゃると思うんですけれど、そういった方々ももちろん応募いただきたいですし、
それ以外の方々も、ポジティブなエネルギーを感じられるスポーツの盛り上がりを見て、スポーツを使ってみたら自分たちの今までの既存ビジネスがうまくいくんじゃないかっていうところに、一歩軸足を置いて考えてみてもらえると、すごく嬉しいです。


畠山さん

スポーツを活用した挑戦的な皆様の姿勢を応援したい、支援したいなという思いがあります。
今までやってきたこと以外の部分で新たなチャレンジ、新たにスポーツを活用してみる形でもいいですし今までスポーツ関連のビジネスをやられた方が、今まで蓄積したノウハウを活用して別の分野で挑戦をする。そういった新しい取組も支援させて頂きたいと思っています。


宮平さん

するスポーツだけじゃなくて、見るスポーツ、支えるスポーツ、つくるスポーツなど、色々な言葉の掛け合わせができるコンテンツがスポーツだと思っているので、僕らが発想もしないような面白いものが見られるのではないかと期待しています。
我々としては、従来スポーツって競技スポーツのイメージが強いですが、沖縄県の第2期スポーツ推進計画でも、自分が体を動かしたいなと思って動かしていることは全てスポーツだ、と定義しています。
皆さんの中でのスポーツというものも、体を動かしたらこれスポーツだね、その発想だったら、このビジネスいけるねというところで、本当に幅広に捉えていただけたら嬉しいなと思います。